マウスピース(野球編)

近年のマウスピースは、口腔内を保護するだけでなく、パフォーマンスアップに繋がる一つのツールとして注目を浴びている。
しかし使用するにあたって何でも良いわけではなく、間違った知識や、不適合なモノを使用することでパフォーマンスダウンしてしまうのであれば、本末転倒。
マウスピースも一つの道具。
自分が何の為に使用するのか、しっかりとした目的意識を持って、パフォーマンスアップに繋げて頂ければ幸いである。

注)マウスピースにもいろいろな呼び名があるが、ここでは一つの名前で記載する。

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2020年7月31日 21時~22時 無料オンラインセミナー(ZOOM & Facebookライブ)

マウスピース×スポーツ
~自分に合ったマウスピースを使ってますか?~

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https://www.cyber-baseball.jp/seminar/7987/

目次

  1. はじめに
  2. マウスピースの種類
  3. そのマウスピースは本当に合っているのか
  4. 目的に応じた噛み合わせバランス

近年、スポーツサイエンスは急速に進んでいる。
一昔前の理論とはかけ離れた根性論では、もはや通用しない。
全てのアスリートの目的達成の手段の一つに、いかに効率良くトレーニング(練習)を行い、それが良い結果に結び付けられるか。

その考え方は身体だけでなく、「噛み合わせ」によっても得られることが認められている。
では何故、今まで噛み合わせがクローズアップされて来なかったのか。
それは日本のスポーツ歯学における普及の遅れや、アスリートやコーチにおけるデンタルIQの差だと考える。
噛み合わせ(歯並び)が良いことに越したことはない。
正しく噛めていれば当然、頭部のバランスも良くなり、強いて言えば身体のバランスも良くなるし、見た目も良い。
しかし、全ての人が初めからバランスの良い歯並びで、正しく噛めているわけではない。
将来を見越して、幼少期から矯正治療を全ての人が受けられるのであればベストだが、いろいろな意味(事情)で、そうはいかない。

では歯並びが悪い、時間もお金もかかる矯正治療を受けられない、それで諦めて良いのか。
その解決策の一つとして、マウスピースがある。
しかし、ただ装着すれば良いというモノでもない。
正しいモノでなければ、かえってパフォーマンスダウンに繋がってしまう。
そこで本文では、マウスピースにおける正しい知識や使用方法を理解して、
更にパフォーマンスアップに繋げて頂ければと思う。

マウスピース

マウスピースも大きく分けて2種類がある。
それは、市販品オーダーメイド品

市販品は、通販やスポーツ店などにある、お湯や熱で柔らかくし、口の中で形成しながら使用するモノ。
オーダーメイド品は、歯科医院で歯型を取り、自分の歯型にフィットする様に作成してもらい使用するモノ。

この2つには、それぞれメリット、デメリットがある。

(市販品)
メリット:手軽に購入できる。安価。
デメリット:適合性が悪い。調整が難しい。逆効果の可能性もありうる。

(オーダーメイド品)
メリット:適合性が良い。微調整が可能。パフォーマンスアップに寄与。
デメリット:歯科医院にて歯型取りが必要。高価。

パフォーマンスアップを考えるのであれば、当然どちらを選ぶのかは…。

では歯科医院で作成されたモノが全てOKなのか?

答えはNO!

人それぞれ歯並びが違うだけでなく、噛み方も違う。
噛み込む位置が合っていないと、異物感が強くなり、競技やトレーニングに集中出来なくなる。
出来上がったモノを渡され、ハイおしまい。そんなモノでは絶対にダメ。
せっかくオーダーメイドで作るのだから、しっかりとバランスの取れたモノを使用することが大切になってくる。
したがって、自分の噛み合わせや、競技の特性に合った調整をしてくれる歯科医院を選ぶ事も重要になってくる。

動きに応じたベストな噛み合わせ。何のことだか分かりますか?

人それぞれ力を入れる時に最大バランスの位置で歯を喰いしばり、全身にパワーを送り込むことが理想だが、競技の特性や使用目的によっては、全ての歯が均等に噛み込むだけが正解ではない。
それぞれに合った噛み合わせバランスが存在する。

ここでは、野球を例に挙げてみる。
野球だけでも、ポジションによって違いがある。

(投手)
身体や頭部が常にセンターバランスで投げ込む選手は別だが、身体や頭部の傾きが行き過ぎないように踏ん張ったり、噛み込むことによって投球動作バランスを調整をする。その時マウスピースの役割は、どのポジションで噛み込むかによって、球速やコントロールのバランス調整に関連してくるパワーバランスポジションがある。
それを有効的に活用することによって、更なるパフォーマンスアップが期待できる。

(打者)
ボールをより遠くへ、強い打球をいかに打つか。これは作用反作用の法則に当てはまる。速球や、重い球質にバットが差し込まれない様にする為には、それに負けないくらいのバットスイングパワーが必要になる。
身体の力だけでなく、マウスピースを噛み込む力を利用して、更なるパワーを体を通じてバットに送り込む事が可能となる。

(野手)
野手の場合、柔軟性を求められることが多いが、送球時の踏ん張りや、コントロール性能を上げる為には、瞬間的な噛み込み(喰いしばり)が必要となり、マウスピースがその手助けとなる。

人それぞれ同じ歯並び、同じ噛み合わせではない。ここで大切なのは、いかに自分に合ったパワーバランスの取れるマウスピースを使用するか
近年、このパワーバランスを出せる噛み合わせバランスは、可視化によって確認することが出来る。
一部の日本のプロ野球選手やメジャーリーガーは、オフェンス、ディフェンスでマウスピースを使い分けている。
即ち、自分に必要なパワーバランスを引き出す為に、使い分けているのである。
また、投手でも打者でも野手でも、長い間同じ歯、同じポジションで噛み続けていくことにより、歯の摩耗や破折の原因となり、突如パフォーマンスダウンを起こすこともあるので、選手生命を長く保たせる意味においても、マウスピースの使用をお勧めする。

この記事の作成者


松田宏之松田宏之
Hiroyuki Matsuda

マツダデンタルオフィス院長
http://www.dentalperformance.jp/

1968年5月22日生まれ
1994年日本歯科大学卒業
1999年東京都港区浜松町にてマツダデンタルオフィス開業
2012年マツダデンタルオフィス内にスポーツ歯科(デンタルパフォーマンス)を併設
現在に至る


 

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