野球の競技特性といえば、打つこと、投げることが代表的であり、非常に技術的要素が強いものです。しかし、技術練習のみならず、その技術をより良くするための土台づくりとして各種体力トレーニングも行われます。これは、現場で技術の下地となる体力が重要であると感じられている結果です。
その体力の中で土台となるのは選手自身の体格です。それでは、他競技選手と比べて、あるいは競技レベルの違いにおいて、野球選手の体格の特徴はどこにあるのでしょうか。
目次
1. 身体組成という考え方
身体的特徴の中でも、今回は身体組成に着目します。身体組成とは「身体を構成するあらゆる要素」の総称です。具体的には身長、体重、体脂肪、骨などです。
さまざまな競技のアスリートにとって身体組成は重要な要素です。例えば陸上競技の長距離選手は体脂肪率が非常に低く、バスケットボールやバレーボール選手は身長が高いことが特徴です。
では、野球選手の身体組成の特徴は? 国立スポーツ科学センターにおいて、各種トップ競技アスリートの体力測定結果をまとめている方に野球選手の体力の特徴を尋ねると、迷うことなく「体が大きい」という答えが返ってきました。
また、2013年度のプロ野球名鑑に記載されている各球団プロフィールデータを調べたところ、日本人投手上位50名の平均身長は189.1±2.2㎝、平均体重は87.2±5.3㎏でした。明らかに体が大きいことが分かります。
このような国立スポーツ科学センターの話や選手名鑑の結果のみならず、実際に野球指導にかかわっている方でも「野球選手は体が大きい」という印象を抱いている方は多いとは思います。
では、どのぐらい大きいのか? また、選手は「体を大きくしなさい」と指導されますが、大きければ大きいほどいいのでしょうか? そして「体が大きい」というのは、身長が高く、体重が重いということなのでしょうか? 実は「大きい」という一言では済まされないもので、身体組成の中でも身長や体重だけで体の大きさを判断しないことが大切です。
2. 他の記事
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