ウオーミングアップで大切なのは、ただ指定された動作を実施する(いわゆる“こなす”)のではなく、その“質”にこだわることです。つまり、手抜きをせずに、実際の試合や練習と同等の強度で実施することが必要です。これを「スピードリハーサル」と呼びます。
スピードリハーサルは、練習や試合の準備に限らず、ケガ予防にも重要な役割を持っています。しかしながら、日々同じようなウオーミングアップをくり返していると、次第に単調になり、手を抜いてしまうことも少なくありません。
そこで、今回はスピードリハーサル実施の有無の点から、ウオーミングアップの質の重要性について考えます。
図Aはラグビー選手を対象とした個人アップとチームアップ時のランニングスピードのギャップについて示したものです。
練習時の最大ランニングスピードを100%とすると、チームアップでは79%のスピードであり、練習中に比べて21%不足しています。一方、個人アップでは61%のスピードであり、練習中に比べて39%も不足している結果となっています。
つまり、個人アップでは、練習中と比べてかなり“手抜き”をした状態でのウオーミングアップになってしまっていることが分かります。
一例ではありますが、練習中に肉離れを起こしてしまった選手のその日のウオーミングアップ時のランニングスピードが、練習中の最大ランニングスピードに比べて35%も低い結果だったという調査があります。
特に筋肉系のトラブルは、体が経験(リハーサル)していない状態で、未知の領域の強度の負荷が体にかかることによって生じる可能性があります。プロ野球選手の「肉離れによって登録抹消」という記事をよく目にしますが、このスピードリハーサルが影響しているのではないかと考えられます。
ではどうしたら良いか、続きは下記をご覧ください
https://www.bbm-japan.com/baseballclinic/17264742
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