ウオーミングアップはただ筋を温めればいいの?

下記で、筋肉を温めたほうがハイパワー系および神経系のパフォーマンスは高くなるということを紹介しました

ウオーミングアップはどれくらいすればいい?

では、筋温をただ高めれば良いのでしょうか?
極端な話、お風呂に入って筋肉を温めれば、ジョギングなどをしなくてもいいのではないかという疑問がわきます。

そこで、今回は筋肉の温め方の違いが運動パフォーマンスにどう影響するかについての実験を紹介します。

熱いお湯に浸してある湿熱式のホットパックを使って、太ももの前側・後ろ側・ふくらはぎの筋温を温めた後に、神経系(立位でのステッピング)とハイパワー(垂直跳び)の測定をしました。

筋温度<永井ら 2012>

図Aを見てください。この図は左から筋温を36℃にした場合、37℃にした場合、38℃にした場合における立位でのステッピング回数を示したものになります。
結果は、筋温を36℃よりも37℃、38℃にしたほうが明らかにステッピング回数は多くなりました。

ホットパック

次に、図Bを見てください。こちらはハイパワー(垂直跳び)の結果になります。見方は図Aと同様です。
結果は、筋温を36℃よりも、38℃にしたほうが明らかにハイパワー系パフォーマンスは高くなりました。
つまり、ジョギングのような体を動かすウオーミングアップ以外の方法で筋温を温めても、神経系パフォーマンスおよびハイパワー系パフォーマンスは共に高くなることになります。

こうした結果を見ると、ジョギングなどのウオーミングアップは必要ないのでは? と思ってしまいます。
そこで、ホットパックのように受動的に筋温を高めた場合と、ジョギングのように能動的に筋温を高めた場合で違いがあるのかを調べてみました。

続きは下記サイトをご覧ください

https://www.bbm-japan.com/baseballclinic/17257310

この記事の作成者


笠原政志笠原政志
Masashi Kasahara

国際武道大学体育学部・大学院 准教授
博士(体育学)
日本体育協会公認アスレティックトレーナー
NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト
日本トレーニング指導者協会認定上級トレーニング指導士

千葉県習志野市出身。スポーツ選手の傷害予防と競技力向上に関するコンディショニングを科学的に捉えたアプローチを実践し、現場と研究の橋渡しの役割を担っている。特に今まで経験値による指導が多かった野球選手のコンディショニングについてを、客観的に示した上でのアプローチ方法について研究したものを現場に提供している。


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