腰痛を起こす選手の特徴

今までの研究で得られた腰痛を起こす選手の特徴をまとめてみました。

結論としては・・・「下半身が硬い」「股関節が硬い」「おなかを凹ませられない」「胸椎が硬い」そして「持久力がない」という特徴が明らかとなりました。

少しでも当てはまっている選手はクリアーできるようにトレーニングをしましょう!

目次

  1. 下半身が硬い
  2. 股関節が硬い
  3. お腹を凹ます
  4. 胸椎の柔軟性
  5. 持久力
  6. まとめ

まずは、前屈です。
目安としては+6cm。手のひらがつくようにストレッチに励みましょう。

立位体前屈で床に手が届くか

 

次に太ももの前の硬さ(踵殿部距離)

こちらは、うつ伏せになって膝を思いっきり曲げて、踵とお尻の最短距離を測るテストです。目安としては10㎝。
10㎝以上離れてしまう人は、太ももの前のストレッチをしっかり行いましょう。

太ももの前の柔軟性があるか

 

障害予防には欠かせない股関節の柔軟性。腰痛でも同様です。
腰痛を起こした選手のデータを解析すると、腰痛予防には、股関節を伸ばした状態でも、曲げた状態でも30度内旋する可動域が必要なことが分かりました。
股関節が硬いと、股関節が動かず、腰が必要以上に動くため、腰に過度な負担がかかると考えます。

股関節内旋

股関節が硬い選手は、当然股関節を柔らかくしなくてはいけません。普段から、股関節を動かすことを意識してトレーニングを行いましょう。

ピッチングのカギは股関節!股関節の柔軟性をチェックしよう

腰痛群の特徴として、上手にお腹を凹ますことができないというものがありました。
安静にした状態からできるだけお腹を凹ました状態の腹囲周径の差(おへその高さ)が、4㎝あれば合格です。
腹部に上手に力が入らない選手は、腰部で安定を作るため、結果的に腰痛になると考えます。

できない人は、おなかが硬くなっているタイプとお腹が凹ませられないタイプに分かれます。

効果的なトレーニングを見つけましょう。

腰痛予防にも有効な腹凹ませテスト

体幹ではコアの注目度が高いですが、データを取ってみると、柔軟性も重要だということが分かりました。
とくに、みぞおちより上の胸椎と呼ばれる部分の柔軟性は大切です。
みぞおちより上にある胸椎が硬いと、みぞおちより下にある腰部に過度な動きが要求されるために腰痛の一要因となると考えます。
胸椎の柔軟性もチェックしましょう。

チェック方法としては下記の2つがあります。
クリアしている選手は、腰痛の発症頻度が低いです。両方クリアできるようにしましょう

腰痛、ひじ痛、肩痛の予防とも関連がある体幹の柔軟性をチェック

目指せホームラン!パフォーマンスアップにも重要な「体をひねる」という動き

サッカー選手のデータですが、腰痛を発症した選手は全員チームの平均より、間欠的持久力(YOYOテスト)が低い値を示しました。
持久力がないと、疲労が早く出ます。
疲労した状態では、不良姿勢になりやすく、結果的に腰部に負担がかかると考えられます。

腰痛が出やすい選手で持久力の低い選手は、持久力を上げるようなトレーニングもしていきましょう。

腰痛で苦しむ選手は多いです。
マッサージをしてもすぐに痛みが戻るという選手は、しっかり体が使えているか、持久力は低下していないかチェックするようにしましょう。
また、痛みが続くようであれば、腰椎疲労骨折(分離症)の可能性もあります。
信頼のおける医療機関で診てらうようにしましょう。

この記事の作成者


亀山顕太郎亀山顕太郎
Kentaro Kameyama

理学療法士
スポ・ラボ(一社)代表理事

神奈川県横浜市出身、理学療法士になってから様々なデータよりケガをしている選手の特徴を調べ、学会にて報告。
石井医師とスポ.ラボを立ち上げてからは、4000人以上のデータを収集し解析。前向きに追跡調査をすることでどのような選手が怪我をするのかを研究している。また、研究の様子を報告しているfacebookでは、3万人以上のフォローワーがいる。


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