前回は、速く走るトレーニングの第1回として総論をお伝えしました。
今回は、全身を動かしてしなやかに走るための
・姿勢を作る
・上半身を動かす
・下半身を曲げる
という3ポイントのうち、「姿勢を作る」「上半身を動かす」の2点についてお伝えします。
まず姿勢について、私はアクセルモードというものを提唱しております。
ももの前や腹筋など、体の前面にある筋肉はブレーキ筋と言われています、一方で、ハムストリングスや腸腰筋など、体の裏側にある筋肉はアクセル筋と言われています。アクセル筋が働きやすい姿勢をつくるために、「みぞおちを前、お尻を後ろ」という言葉を使っております(写真1)。
これを定着させる1つのエクササイズとして、2歩ずつで入れ替えるもも上げを用いております(写真2)。
次に上半身を動かすことについてです。
腕の振りがスプリントの助けになることはイメージをしやすいと思います。
骨の構造から考えると、腕は鎖骨の付け根にから動くと言われています。
また、腕の動きに関わる筋肉の1つである僧帽筋は、胸椎という背骨の中でも下の方に付いています(写真3)。
ここから言えることは、腕を振るには体幹部分から動かすということです。
肋骨の周りが固まっている選手が多いので、この辺りを動かす練習を行なっております(写真4)。
次回は「上半身を動かす」の続きから、「下半身を曲げる」についてお伝えいたします。