我々は5000人ちかい学童野球選手に、150項目以上のフィジカルチェックを行い、1年間追跡調査を行ってきました。
その中で今回は肩ひじを痛める選手に特徴的な10項目を紹介したいと思います。
10項目のうち5項目該当している選手は、1年間に90%の確率で肩ひじを痛めておりました。同様に、4項目でも80%、3項目でも60%と高い確率になっております。
目次
1. 野球肩・野球ひじは繰り返す
データでみると野球肩・野球ひじともに、一度痛めたことがある選手(既往のある選手)が発症率が高いのが分かります。
野球肩・野球ひじは繰り返すと言いますが、データでも実証されました。
原因としては、肩やひじに負担がかかる悪いクセをしっかり治し切れていないことが考えられます。悪い投げ方をしてひじを痛めて、休んで、また悪い投げ方をしていればひじの痛みは再発してしまいます。それを防ぐためには、しっかりとしたリハビリで体の悪いクセを直す必要があります。
2. ポジション・体重・練習時間が大きく関与
このデータを見た時に少年野球のケガ予防の難しさを感じました。
投手で体大きく(体重が平均よりある)、練習時間が20時間以上の選手は90%近くが肩ひじを痛めていたのです。反対に、投手以外で体が小さく、練習時間が20時間未満の選手は肩ひじを痛める確率は20%程度でした。
どうすれば良いか・・・
今回のデータから言えるのは、まず子供の体力を考えると週20時間を超える練習は体に負担になると考えます。20時間以上練習をしているチームの発症率は66%だったのに対して、20時間未満のチームは39%と低い値になっておりました。2土日16時間練習したら、平日は1日程度にとどめるのが良いことになります。
体の大きな子に頼らないチームを作る。早熟傾向の体の大きな子に投手ばかりやらせるのは、その選手をつぶすことにつながります。体が大きくても、骨・軟骨は子供。体が大きな選手ほど大切に育てる必要があります。
投手に関しては、肩ひじを痛めない投手の特徴を下記ホームページにまとめました。参考にしていただければ幸いです。
3. ひじが伸びない・曲がらないは危険信号
痛みはないけど、ひじが左右で同じように曲がらない・伸びないは危険信号です。
データでみても、ひじが伸びない・曲がらない選手は故障のリスクが高いことが分かりました。
ひじが伸びない・曲がらない選手は、もうすでに何らかの問題が発生しているので、投球強度を落とすか、必要に応じて投球を禁止にしましょう。
チェック方法は下記ホームページで解説しております。
4. 大切なのは下半身!
今回、全身のフィジカルチェック(柔軟性・筋力・基礎的運動能力)を行ったのですが、野球肩・ひじと関係があったのは・・・すべて「下半身」の項目でした。
野球は下半身が大切だ!と言いますが、データでみても下半身が大切でした。
3つの項目に関しては、下記ホームページでそれぞれ説明しております。ご参照にしていただければ幸いです!
5. まとめ
どのような子供が怪我をするかをしっかり把握することで、投球障害は減らすことができます。
野球を通して、多くの子供たちが勉強では味わえない大切な経験をできることを願っております!
個々の選手の確率は下記ホームページで分かります。是非、お試しください!