ウオーミングアップと言えば、試合や練習に向けて体をより良い状態にすることだと、多くの方が自然と感じているものだと思います。ウオーミングアップとしては、筋肉の温度を高めること、柔軟性を高めること、心肺機能の循環を高めることなどがあります。
もう一つ大切なのが、脳のウオーミングアップです。体を動かす指令を出すのは脳だと考えるならば、体への指令をスムーズに行うために脳のウオーミングアップが必要なはずです。
そこで、今回は試合に向けたコンディショニングとして、脳のウオーミングアップに着目してご紹介します。
脳のウオーミングアップとは、ズバリ適度な覚醒状態を保つことです。この“適度”というのが大切です。
交感神経が強く働いているときは覚醒が強過ぎる状態となるので、いわば緊張し過ぎていることになります。一方、副交感神経が強く働いているときは、リラックスしている状態となり、そこから最大限のパフォーマンスを発揮できるとは言えません。
従って、交感神経と副交感神経のどちらかが極端に強いというわけではない、適度な覚醒状態を保つことが脳のウオーミングアップとして考えるべきことであり、これがいわゆる“ゾーン”と言われるものではないかと脳生理学者は発言しています(図A)。
では、脳の適度な覚醒状態に影響しているものは何なのでしょうか。
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