ウオームアップでのスタティックストレッチは悪影響?

ウオーミングアップでは、筋温を高め、スピードリハーサルをして神経系の準備をすることが大切であることはこれまで紹介してきました。

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さらにウオーミングアップでは、必要な柔軟性を高める、もしくは確保することも重要です。野球選手にとって柔軟性の欠如は傷害につながるため、ウオーミングアップにおいてストレッチングをして最大限に可動域を高めることが求められます。

目次

  1. ストレッチングの種類と特徴
  2. スタティックストレッチングとは
  3. スタティックストレッチングと運動パフォーマンスの関係
  4. ウオーミングアップは状況に合わせることが大切

下記では、ストレッチングの種類と特徴について紹介しました。

ストレッチングの種類とその活用法

その中でも少し触れましたが、スタティックストレッチングをウオーミングアップ中に行うことは、その後の運動パフォーマンスに悪影響を及ぼすという研究報告が近年なされています。
そこで今回は、ウオーミングアップでのスタティックストレッチングの活用法について紹介します。

スタティックストレッチングとは、反動をつけずにゆっくりと対象部位を伸ばす方法で、教科書的には30~60秒のストレッチングが推奨されています。
先に述べたウオーミングアップ中のスタティックストレッチングがその後の運動パフォーマンスを低下させるメカニズムは、ゆっくりと伸ばすことで筋が緩み過ぎてしまい、ジャンプなどのハイパワーの運動をする際に素早い筋収縮をすることを妨げてしまうということです(図A)。

スタティックストレッチとは

しかしながら、実際の現場ではスタティックストレッチングをした直後にジャンプや全力疾走などをする機会はほとんどありません。従って、こうした研究結果が必ずしも実際の現場に当てはまるとは言えないのです。

また、この情報には説明されていない部分があります。

スタティックストレッチングと運動パフォーマンスの関係について分析してみると、運動パフォーマンスが低下しているという報告ではストレッチングを1部位に対して30秒以上行っていることが分かります。一方、運動パフォーマンスが低下していないという報告を整理すると、1部位30秒未満となっています(図B)。

伸長時間の違い

従って、ウオーミングアップ中に行うスタティックストレッチングは、1部位に対して30秒以上行うと運動パフォーマンスが低下する恐れがあるものの、30秒未満であればその影響は少ないのです。
さらに、ダイナミックストレッチング(主動筋を収縮させ拮抗筋を伸ばす方法)や専門的ウオーミングアップと組み合わせれば、運動パフォーマンスが低下することはないと考えられます。

続きは下記ホームページをご覧ください↓

https://www.bbm-japan.com/baseballclinic/17312485

この記事の作成者


笠原政志笠原政志
Masashi Kasahara

国際武道大学体育学部・大学院 准教授
博士(体育学)
日本体育協会公認アスレティックトレーナー
NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト
日本トレーニング指導者協会認定上級トレーニング指導士

千葉県習志野市出身。スポーツ選手の傷害予防と競技力向上に関するコンディショニングを科学的に捉えたアプローチを実践し、現場と研究の橋渡しの役割を担っている。特に今まで経験値による指導が多かった野球選手のコンディショニングについてを、客観的に示した上でのアプローチ方法について研究したものを現場に提供している。


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